皆さんの中には、「サンクコスト(埋没費用)」という言葉を聞いたことはありますか?「サンクコスト(埋没費用)」とは、「お金や時間など過去に支払ってしまって、もう取り戻すことの出来ない費用」のことで、これらは日常生活のあらゆるところで見受けられます。
人間は、損をしたままの気分が残ることを避けたいのか、サンクコストへの執着はとても強いと言われています。
しかしながら、合理的な判断をするために、サンクコストを諦めることが必要な時もあります。すでにかけたコストが活きるのか、埋没するのかを判断することは非常に難しいですが、目的が達せられない、もしくは計画が無駄になるといったことが分かったら、そのまま継続するべきなのか、それとも一度立ち止まるべきなのか。この記事ではサンクコストの例と合わせて、サンクコストが生じる原因と取るべきアクションについて説明しておりますので、最後までお読みいただき「サンクコスト」について理解を深めていただければと思います。
サンクコストの例 – ジムの年会費
太郎くんは、スポーツジムに通い始めた初日に激しい運動からアキレス腱を切ってしまい、1カ月以上のケガをしてしまいました。そのスポーツジムは、入会すると同時に年会費3万6000円を支払うと利用券とは別に様々なオプションが得られたために、太郎くんは入会の際に年会費を支払うことにしました。

いまケガをしている太郎くんは、「とても大きなケガをしてしまった。初日だし、すでに年会費も支払いしてるし…」とスポーツジムを引き続き続けているかどうかを悩んでいます。このときに、皆さんならどのように判断されますか(スポーツジムに引き続き入会するか、それともきっぱり辞めてしまうか)?
もし太郎くんが年会費3万6000円を気になってスポーツジムを継続するならば、サンクコスト効果に陥っているでしょう。もし、このまま年会費に囚われて、無理してジムに通い続けていたら、太郎くんはまたケガをしてしまい、治療費でさらに損をしてしまう可能性があります。この場合、太郎くんはどのみちしばらくジムに通うことは出来ません。サンクコストをもったいない気持ちはすごく分かります。しかしながら、支払った金額はもう返ってきませんので、諦めた方がよい時もあります。
サンクコストが生じる原因とは
一つ目は、「評判の維持」をしようとしていることが挙げられます。今年開催されるオ○ンピックなどは典型的な例の一つであり、この開催までに多くの時間やコストの投資が行われてきたために、いまさら計画やプロジェクトを中止するということは、過去の決定が誤りだったことを認めてしまうことになります。そこで、更にそれを回避しようとして、投資を続けてしまうのです。
二つ目は、人間が意思決定を行う際に無意識に用いているヒューリスティックの一般化にあります。例えば、昔から食べ物を粗末にしてはいけない、と親から言われ続けてきたら、多少満腹でも残さず食べるということも、ヒューリスティックに起因してきます。それが逆にサンクコストというヒューリスティックを適用すべきでないところにまで適用してしまうために間違いが生じてしまうのです。
諦める勇気
人のサンクコストへの執着はとても強いと言われていますが、合理的な判断をするために、サンクコストを諦めることが必要な時もあります。過去だけでなく、将来にも目を向けることで何か違うものが見えるかもしれません。成功するためには、諦める勇気も継続する力と同じくらい大切だということです。
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