【財務分析】はじめに
本ブログでは、理系出身MBAホルダーの私が、財務分析をします。企業の安全性、収益性、安全性を分析し、皆さんの勉強や投資に役に立つ情報を発信していきたいと思います。そして、MBAや外資系企業でマネージメントをしている中で得た経験、大学を出てIT企業でエンジニアなどをしていた中で得た経験から、ビジネスにも役に立つ情報をここで書いていきたいと思います。
※本ブログで書いている分析内容などに誤りがあったとして、皆さんが投資などで損失を被っても、責任は負いませんのでご理解ください。
【財務分析】成長性
企業の売上高や営業利益などがなぜ伸びているのかを分析します。
有価証券報告書、決算説明資料などで調べてみましょう。
<ポイント1>たぐいまれな、きれいな成長
非常にきれいに成長をしています。お手本のような成長の仕方。
<ポイント2>落ちない営業利益成長率
有価証券報告書によるtお、営業利益率が15%から10%前後の成長を続けています。企業が大きくなると、成長率の鈍化も大きくなるのですが、まだまだ大きな成長率を維持しているというのは驚異的な成長率だと思います。
【財務分析】収益性
企業の儲ける力を分析します。
<ポイント1>ROAは少しずつ低下傾向
ROA=営業利益÷総資産です。投資した資産がどれくらい利益を生み出しているかを示します。
同じ業界で他社と比較すると、会社の稼ぐ力がわかります。
他業界と比較する、業界の特徴がわかります(多くの設備投資が必要なインフラ業界、設備投資が少なくて済むIT業界など)。アークランドサービスホールディングスはROAが微減していますが、ほぼ横ばいです。これだけの成長率を誇っているのですから、ROAがそこまで落ちていないことが素晴らしいと言えます。
<ポイント2>売上高営業利益率、総資産回転、ともに微減
ROA=売上高営業利益率×総資産回転率 とも計算できます。
つまり、より利益が上がるようになってROAが向上したのか、資産を有効活用できるようになってROAが向上したのかわかります。
<ポイント3>成長しても、原価率は維持するすごさ
売上高原価率=売上原価÷売上高です。例えば、売上高原価率が上がった場合、以下の2パターンが考えられます。
A:原材料費などが上がり、売上原価が上がる。
B:競合との競争で販売価格が下がり、売上高が下がる。
→Bの場合だと、会社の将来が心配になりますね。
※販管費も同様の考え方です。
アークランドサービスホールディングスは、これだけの成長をしながら、販管費、売上原価率が全然変わりません。大きな成長をするときは、原価の少し薄い事業なども手を出す可能性がありますが、企業体質を維持しながら成長出来ているのが分かります。
<ポイント4>回転率も非常に良好
売上に対する、各指標の回転率を見ても、横ばいで、大きな異常はありません。
【財務分析】安全性
財務面の安全性を分析します。
<ポイント1>こんなに流動比率が高い会社があっていいのか
流動比率=流動資産÷流動負債です。短期的に支払わなければならない負債と支払いに使えるお金の比率を示すイメージです。
一般的には200%を超えていれば良好とされていますが、アークランドサービスは400%にまで達しています。もはや、安全すぎて、文句ないというか、この外出自粛の状況下でもしばらく問題ないでしょうっていう感じです。
<ポイント2>負債が多すぎないか
負債比率=負債÷純資産です。自分の資産(純資産)と借金(負債)の比率を示します。
負債比率が多すぎると、利息の支払い負担が増します。一般的には100%以下が良好とされていますが、少し上がっていたとしても、まだ40%程度です。非常に健全な状況です。
インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息等)÷支払利息です。
支払う利息に対して、何倍の利益を稼いでいるかを示します。明確な基準値はありません。
<ポイント3>長期の安全性
固定比率=固定資産÷純資産です。工場や店舗などの資産をどれくらい自己資金で賄っているかを示します。
一般的には100%以下が良好とされていますが、文句なしに40%以下です。
【補足】固定長期適合率
固定比率が100%より多い場合、固定負債を考慮した固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+純資産)を考えます。
長期的に使う固定資産なので、自己資金+長期的に返済する固定負債で賄っていれば良いとう考え方です。目安は同じく100%以下です。
【財務分析】キャッシュフロー(CF)
<ポイント1>営業キャッシュフロー(CF)がプラスか
企業活動でどれくらいお金を稼いでいるかです。ずっとプラスで、キレイに成長しています。
<ポイント2>投資CF、財務CFの状況から企業の資金需給を考える
成長している企業では、企業活動で稼いでいるお金(営業CF)以上に設備投資などが必要になります。投資CFが大きなマイナスとなります。アークランドサービスは、工場などの設備を持つビジネスではないため、ここが大きなマイナスでなかったとしても、あまり心配しなくても良いでしょう。
成熟した企業では、企業活動で稼いだお金で設備投資などを賄い(投資CFが少なめのマイナス)、借金も返済している(財務CFがマイナス)状況となります。アークランドサービスの場合、基本的に大きな金額の借金はしていないので、グラフのスケール自体が非常に小さいです。
<ポイント3>フリーキャッシュフロー
フリーCF=営業CF+投資CFです。企業活動で稼ぐお金と設備投資などに必要な資金の差です。
企業が必要な設備投資などを行った上で、ある程度自由に使えるお金を示します。フリーキャッシュフローも綺麗にずっとプラスのため、資金面でも心配はないでしょう。
※有価証券報告書データ更新日:2020-03-30
【財務分析】まとめ
アークランドサービスホールディングス株式会社を分析してみましたが、非常に良い財務状態のため、あまり課題を指摘する場所がありませんでした。また最新の決算が出たら更新したいと思います。
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