【財務分析】株式会社 島津製作所 理系就職人気上位

財務分析

【財務分析】はじめに

本ブログでは、理系出身MBAホルダーの私が、財務分析をします。企業の安全性、収益性、安全性を分析し、皆さんの勉強や投資に役に立つ情報を発信していきたいと思います。そして、MBAや外資系企業でマネージメントをしている中で得た経験、大学を出てIT企業でエンジニアなどをしていた中で得た経験から、ビジネスにも役に立つ情報をここで書いていきたいと思います。

※本ブログで書いている分析内容などに誤りがあったとして、皆さんが投資などで損失を被っても、責任は負いませんのでご理解ください。

今回は、理系大学出身者の就職ランキングで上位の島津製作所について調べてみました。私も、もともと理系出身で情報系でしたが、こういった精密機械を作る会社への憧れは、学生時代に強く抱いていたのを覚えています。

【財務分析】成長性

企業の売上高や営業利益などがなぜ伸びているのかを分析します。
有価証券報告書、決算説明資料などで調べてみましょう。

<ポイント1>高い水準で安定した利益と売上

計測器などに強い島津製作所ですが、売上が4,000億円程度なのに対して、利益が400億円と、製造業としては、非常に高利益な体質になっています。少し小さな会社とかであれば分かりますが、ここまで大きな会社でこれほどの利益を安定して出し続けられるのは凄いとしか言いようがありません。

<ポイント2>下降気味の成長率

一方で、懸念もあります。それが営業利益成長率の落ち込みです。2020年度はもしかしたら、外出自粛などの影響で、全体的な経済の落ち込みの影響を受けるかもしれませんが、その時にどういう結果になるかによって、島津製作所の強さが分かると思います。

【財務分析】収益性

企業の儲ける力を分析します。

<ポイント1>ROAは高い水準で推移

ROA=営業利益÷総資産です。投資した資産がどれくらい利益を生み出しているかを示します。
同じ業界で他社と比較すると、会社の稼ぐ力がわかります。
他業界と比較する、業界の特徴がわかります(多くの設備投資が必要なインフラ業界、設備投資が少なくて済むIT業界など)。同業他社との比較も今後、していきたいと思います。

<ポイント2>売上高営業利益率が非常に高い

ROA=売上高営業利益率×総資産回転率 とも計算できます。
つまり、より利益が上がるようになってROAが向上したのか、資産を有効活用できるようになってROAが向上したのかわかります。全体として、変化は無いのですが、特徴は、売上高営業利益率の高さです。総資産回転率は1前後と、一般的ですが、売上高営業利益率が高いおかげでROAが高く維持されています。

<ポイント3>販管費は減少傾向

売上高原価率=売上原価÷売上高です。例えば、売上高原価率が上がった場合、以下の2パターンが考えられます。
 A:原材料費などが上がり、売上原価が上がる。
 B:競合との競争で販売価格が下がり、売上高が下がる。
→Bの場合だと、会社の将来が心配になりますね。
 ※販管費も同様の考え方です。

売上原価率は横ばいですが、販管費率は微減になっています。大きな特徴というほどではないかと思います。

<ポイント4>各回転率に異常の兆候はないか

回転率は、下がっている感じもなく、固定資産回転率が少し減っていても、後述する小さかった航空産業への投資も積極的なため、心配ないと思われます。

【財務分析】安全性

財務面の安全性を分析します。

<ポイント1>短期的な資金繰りは大丈夫か

流動比率=流動資産÷流動負債です。短期的に支払わなければならない負債と支払いに使えるお金の比率を示すイメージです。
一般的には200%を超えていれば良好とされています。島津製作所は安定の250%前後です。

<ポイント2>負債が多すぎないか

負債比率=負債÷純資産です。自分の資産(純資産)と借金(負債)の比率を示します。
負債比率が多すぎると、利息の支払い負担が増します。一般的には100%以下が良好とされています。島津製作所は負債比率を下げてきており、盤石な企業を作り上げている最中という感じです。

インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息等)÷支払利息です。
支払う利息に対して、何倍の利益を稼いでいるかを示します。明確な基準値はありません。

<ポイント3>長期の安全性

固定比率=固定資産÷純資産です。工場や店舗などの資産をどれくらい自己資金で賄っているかを示します。
一般的には100%以下が良好とされています。 こちらも50%を切る水準であり、長期的にも安定しているように見えます。

【補足】固定長期適合率

固定比率が100%より多い場合、固定負債を考慮した固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+純資産)を考えます。
長期的に使う固定資産なので、自己資金+長期的に返済する固定負債で賄っていれば良いとう考え方です。目安は同じく100%以下です。

【財務分析】キャッシュフロー(CF)

<ポイント1>営業キャッシュフロー(CF)がプラスか

企業活動でどれくらいお金を稼いでいるかです。綺麗にずっとプラスなので、本業でいかにきれいに儲けているかが見て取れます。

<ポイント2>投資CF、財務CFの状況から企業の資金需給を考える

成長している企業では、企業活動で稼いでいるお金(営業CF)以上に設備投資などが必要になります。投資CFが大きなマイナスとなります。島津製作所は綺麗に投資CFが毎年マイナス、財務キャッシュフローもマイナスになっています。

<ポイント3>フリーキャッシュフロー

フリーCF=営業CF+投資CFです。企業活動で稼ぐお金と設備投資などに必要な資金の差です。
企業が必要な設備投資などを行った上で、ある程度自由に使えるお金を示します。理想的なプラスになっているのが見て取れます。

【財務分析】セグメント

一つの企業は複数(セグメント)の事業を持っていることがあります。
成長中の事業、成熟した事業など様々です。どの事業が資金を生んでいますか?
どの事業に資金を投下していますか?

【セグメント毎の売上高】

セグメントごとの事業規模を掴みましょう

<ポイント1>主力は計測機器

売上の多くが計測機器部門がけん引しています。次に医用機器です。利益率も計測機器が高く、他者との比較はしていませんが、プロダクトポートフォリオの考え方で行くと、完全に「花形」のポジションでしょう。

<ポイント2>航空機器への投資に積極的

全体の中で行くと、航空機器セグメントが比較的投資されているのが分かります。2019年度はある程度、同じになっているので、今後、2020年度はどう配分されるのかが気になります。

<ポイント3>どこも儲かっている島津製作所

簡易投資CF投資/営業CFは、必要な設備投資等をどれくらい自ら稼いでいるかを示しています。 目安として、100%程度で自賄いできています。100%を超えると、他のセグメントから資金を得るか、借り入れが必要な状況です。逆に、100%より小さいと、資金を生んでいる事業です。航空機器産業は今後の成長軸にしたいのかもしれません。一方で、2020年の外出自粛が影響して、投資が珍しいが出ないどころか、重荷になってしまう可能性も来年度の2020年度会計からは出てくるかも知れません。

※有価証券報告書データ更新日:2020-06-26

【財務分析】まとめ

今回は、島津製作所の分析をしました。全体的には非常に堅牢な財務であり、堅調に売上、利益を出している状態だという印象でした。航空機器業界に積極的に投資しているため、2020年の財務にどういう影響が出るのか、次の財務分析が楽しみな企業でした。

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