【財務分析】株式会社コナカ アパレル業界銘柄

財務分析

【財務分析】はじめに

本ブログでは、理系出身MBAホルダーの私が、財務分析をします。企業の安全性、収益性、安全性を分析し、皆さんの勉強や投資に役に立つ情報を発信していきたいと思います。そして、MBAや外資系企業でマネージメントをしている中で得た経験、大学を出てIT企業でエンジニアなどをしていた中で得た経験から、ビジネスにも役に立つ情報をここで書いていきたいと思います。

※本ブログで書いている分析内容などに誤りがあったとして、皆さんが投資などで損失を被っても、責任は負いませんのでご理解ください。

はるやまホールディングス、AOKIホールディングに引き続いて、外出自粛の影響を大きく受けているであろう株式会社コナカを取り上げたいと思います。分析してみた感想としては、思っていたよりもまずいかなという印象でした。会計締めの関係で、2018年度(2019年9月末)までの数字しか分析できてませんがご了承ください。

【財務分析】成長性

企業の売上高や営業利益などがなぜ伸びているのかを分析します。
有価証券報告書、決算説明資料などで調べてみましょう。

<ポイント1>落ち続ける売上

2015年度からずっと成績が落ち続けています。

<ポイント2>落ち続ける営業利益

売上高を伸ばすには、工場、店舗など総資産への投資が必要になります(もちろん例外もあります)。
なぜ総資産が増えた(減った)のでしょうか。投資が売上高の成長に結びついていますか。

【財務分析】収益性

企業の儲ける力を分析します。

<ポイント1>総資産がどれくらい利益を生んでいるか(ROA)

ROA=営業利益÷総資産です。投資した資産がどれくらい利益を生み出しているかを示します。
同じ業界で他社と比較すると、会社の稼ぐ力がわかります。
他業界と比較する、業界の特徴がわかります(多くの設備投資が必要なインフラ業界、設備投資が少なくて済むIT業界など)。

<ポイント2>ROAが向上(悪化)した原因

ROA=売上高営業利益率×総資産回転率 とも計算できます。
つまり、より利益が上がるようになってROAが向上したのか、資産を有効活用できるようになってROAが向上したのかわかります。

<ポイント3>原価率や販管費の推移

売上高原価率=売上原価÷売上高です。例えば、売上高原価率が上がった場合、以下の2パターンが考えられます。
 A:原材料費などが上がり、売上原価が上がる。
 B:競合との競争で販売価格が下がり、売上高が下がる。
→Bの場合だと、会社の将来が心配になりますね。
 ※販管費も同様の考え方です。

外出自粛の影響がない状況の中で、利益率が0.1%という、もうほぼ利益がない状態での経営になっています。次の決算では非常に厳しい状態になるのは見えている状態です。

 
<ポイント4>各回転率に異常の兆候はないか

例えば、商品が売れなくなれば、在庫(棚卸資産)が増えて、棚卸資産回転率が低下します。
棚卸資産回転率が低下して、売上原価率も上がっている。
→商品やサービスの魅力が低下して、物が売れない、値下げせざるを得ない状況かもしれません。

【財務分析】安全性

財務面の安全性を分析します。

<ポイント1>短期的な資金繰りは大丈夫か

流動比率=流動資産÷流動負債です。短期的に支払わなければならない負債と支払いに使えるお金の比率を示すイメージです。
一般的には200%を超えていれば良好とされています。安全性を大きく下げてきているのが見えます。

<ポイント2>負債が多すぎないか

負債比率=負債÷純資産です。自分の資産(純資産)と借金(負債)の比率を示します。
負債比率が多すぎると、利息の支払い負担が増します。一般的には100%以下が良好とされています。

インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息等)÷支払利息です。
支払う利息に対して、何倍の利益を稼いでいるかを示します。明確な基準値はありません。

<ポイント3>長期の安全性

固定比率=固定資産÷純資産です。工場や店舗などの資産をどれくらい自己資金で賄っているかを示します。
一般的には100%以下が良好とされています。

【補足】固定長期適合率

固定比率が100%より多い場合、固定負債を考慮した固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+純資産)を考えます。
長期的に使う固定資産なので、自己資金+長期的に返済する固定負債で賄っていれば良いとう考え方です。目安は同じく100%以下です。

【財務分析】キャッシュフロー(CF)

<ポイント1>営業キャッシュフロー(CF)がプラスか

企業活動でどれくらいお金を稼いでいるかです。これがマイナスだと、きちんと利益を上げられていないことを示しています。

<ポイント2>投資CF、財務CFの状況から企業の資金需給を考える

成長している企業では、企業活動で稼いでいるお金(営業CF)以上に設備投資などが必要になります。投資CFが大きなマイナスとなります。 設備投資のための資金を得るために、資金調達をすれば財務CFはプラスになります。
成熟した企業では、企業活動で稼いだお金で設備投資などを賄い(投資CFが少なめのマイナス)、借金も返済している(財務CFがマイナス)状況となります。

<ポイント3>フリーキャッシュフロー

フリーCF=営業CF+投資CFです。企業活動で稼ぐお金と設備投資などに必要な資金の差です。
企業が必要な設備投資などを行った上で、ある程度自由に使えるお金を示します。大きなマイナスが続けば、資金調達が必要になるでしょう。

【財務分析】セグメント

一つの企業は複数(セグメント)の事業を持っていることがあります。
成長中の事業、成熟した事業など様々です。どの事業が資金を生んでいますか?
どの事業に資金を投下していますか?

【セグメント毎の売上高】

セグメントごとの事業規模を掴みましょう

<ポイント1>どの事業が利益率が高いですか?

どのセグメントの利益率が高いですか?

<ポイント2>どのセグメントに投資しているか1

簡易投資CF/減価償却費は、設備投資などの額と減価償却費の比率です。 目安として、100%程度で現状維持、それより多いと積極的に投資していると見ることができます。 全社戦略を踏まえて、セグメントごとの投資活動は適切ですか?

<ポイント3>どのセグメントに投資しているか2

簡易投資CF投資/営業CFは、必要な設備投資等をどれくらい自ら稼いでいるかを示しています。 目安として、100%程度で自賄いできています。100%を超えると、他のセグメントから資金を得るか、借り入れが必要な状況です。逆に、100%より小さいと、資金を生んでいる事業です。 資金を生むセグメント、必要なセグメントのバランスは取れていますか?

※有価証券報告書データ更新日:2019-12-17

【財務分析】まとめ

コナカは、外出自粛の影響を全く受ける前の時点で、本業での利益がほとんどでなくなってきています。次の決算がもう少しで出るので、その時に、再度、分析を書きたいと思います。

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