【財務分析】株式会社はるやまホールディングス

財務分析

【財務分析】はじめに

本ブログでは、理系出身MBAホルダーの私が、財務分析をします。企業の安全性、収益性、安全性を分析し、皆さんの勉強や投資に役に立つ情報を発信していきたいと思います。そして、MBAや外資系企業でマネージメントをしている中で得た経験、大学を出てIT企業でエンジニアなどをしていた中で得た経験から、ビジネスにも役に立つ情報をここで書いていきたいと思います。

※本ブログで書いている分析内容などに誤りがあったとして、皆さんが投資などで損失を被っても、責任は負いませんのでご理解ください。

今回は、外出自粛の影響が大きいであろうアパレル業界シリーズとして、株式会社はるやまホールディングスを取り上げたいと思います。

【財務分析】成長性

企業の売上高や営業利益などがなぜ伸びているのかを分析します。
有価証券報告書、決算説明資料などで調べてみましょう。

<ポイント1>下がり続ける売上

2018年度と2019年度は売上高が下がり続けています。総資産はあまり変動がないため、店舗数などは変わらないのでしょう。

<ポイント2>下がり続ける営業利益

2016年度をピークに営業利益が下がり続けています。2019年度は売上500億円に対して、4,000万円弱の営業利益のため、ギリギリ利益が出ているのが見て取れます。

 

【財務分析】収益性

企業の儲ける力を分析します。

<ポイント1>総資産がどれくらい利益を生んでいるか(ROA)

ROA=営業利益÷総資産です。投資した資産がどれくらい利益を生み出しているかを示します。
同じ業界で他社と比較すると、会社の稼ぐ力がわかります。
他業界と比較する、業界の特徴がわかります(多くの設備投資が必要なインフラ業界、設備投資が少なくて済むIT業界など)。

<ポイント2>総資産回転率も落ち続けている。

ROA=売上高営業利益率×総資産回転率 とも計算できます。
つまり、より利益が上がるようになってROAが向上したのか、資産を有効活用できるようになってROAが向上したのかわかります。営業利益率は景気の変動を大きく受けますが、総資産回転率も下がり続けており、景気変動により資産を減らして収益性を挙げるといったことが難しい業態なのがこれにより、なんとなく見えてきます。

<ポイント3>利益率は、0.7%という状況

売上高原価率=売上原価÷売上高です。例えば、売上高原価率が上がった場合、以下の2パターンが考えられます。
 A:原材料費などが上がり、売上原価が上がる。
 B:競合との競争で販売価格が下がり、売上高が下がる。
→Bの場合だと、会社の将来が心配になりますね。
 ※販管費も同様の考え方です。

売上原価は変わりませんが、販管費は減らない中で、売り上げが落ちているため、販管費率が上がっており、利益率が0.7%にまで落ち込んでいます。景気の変動を大きく受けている状況です。

 
<ポイント4>売上債権回転率が非常に高い

売上債権回転率が非常に高いのが、はるやまの特徴でしょう。現金商売が基本ということでしょうか。

【財務分析】安全性

財務面の安全性を分析します。

<ポイント1>短期的な資金繰りは大丈夫か

流動比率=流動資産÷流動負債です。短期的に支払わなければならない負債と支払いに使えるお金の比率を示すイメージです。
一般的には200%を超えていれば良好とされています。流動比率は上がっていますが、利益が出ない構造になってきているため、安全性が高いとは言えなさそうです。

<ポイント2>負債が多すぎないか

負債比率=負債÷純資産です。自分の資産(純資産)と借金(負債)の比率を示します。
負債比率が多すぎると、利息の支払い負担が増します。一般的には100%以下が良好とされています。負債は比較的少なめの企業です。

インタレストカバレッジレシオ=(営業利益+受取利息等)÷支払利息です。
支払う利息に対して、何倍の利益を稼いでいるかを示します。明確な基準値はありません。

<ポイント3>長期の安全性

固定比率=固定資産÷純資産です。工場や店舗などの資産をどれくらい自己資金で賄っているかを示します。
一般的には100%以下が良好とされています。 この数字も比較的良いです。

【補足】固定長期適合率

固定比率が100%より多い場合、固定負債を考慮した固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+純資産)を考えます。
長期的に使う固定資産なので、自己資金+長期的に返済する固定負債で賄っていれば良いとう考え方です。目安は同じく100%以下です。

【財務分析】キャッシュフロー(CF)

<ポイント1>営業キャッシュフロー(CF)がプラスか

企業活動でどれくらいお金を稼いでいるかです。これがマイナスだと、きちんと利益を上げられていないことを示しています。ハルヤマは波は大きいですが、本業で儲けが出ているように見えます。

<ポイント2>投資CF、財務CFの状況から企業の資金需給を考える

成長している企業では、企業活動で稼いでいるお金(営業CF)以上に設備投資などが必要になります。投資CFが大きなマイナスとなります。 設備投資のための資金を得るために、資金調達をすれば財務CFはプラスになります。
成熟した企業では、企業活動で稼いだお金で設備投資などを賄い(投資CFが少なめのマイナス)、借金も返済している(財務CFがマイナス)状況となります。

<ポイント3>フリーキャッシュフロー

フリーCF=営業CF+投資CFです。企業活動で稼ぐお金と設備投資などに必要な資金の差です。
企業が必要な設備投資などを行った上で、ある程度自由に使えるお金を示します。大きなマイナスが続けば、資金調達が必要になるでしょう。

 

※有価証券報告書データ更新日:2020-06-26

【財務分析】まとめ

はるやまの分析をして、初めてこの企業は老舗としての安定性を持っている企業だなと思いました。一方で、外出自粛の影響が大きいのではないでしょうか。在宅になり、スーツなどを着ないのが普通になってくると、長期的には業態転換などが必要になりそうです。

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