【ハインリッヒの法則】重大事故の裏には、前兆がたくさんある

ビジネス用語

【ハインリッヒの法則】とは

「ハインリッヒの法則」を聞いたことがある方は多いでしょう。これは、ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが、1931年に「Industrial Accident Prevention-A Scientific Approach」という文章をまとめた著書の中で紹介された法則である。

これは、労働災害が起こる際に、重大事故の裏にどのくらいの隠れた事故があるのかというのを説明しており、「1つの重大事故が起きたとき、29の軽微な事故があり、さらにその裏では300の異常が起きている。」という法則である。

【ハインリッヒの法則】数字ではなく、コンセプト・考え方が重要

ハインリッヒの法則では、「1:29:300」という数字を良く見かけます。この数字は様々な研究で別の数字が提示されており、どれが正しいかは業態、職種などで非常に大きく振れてしまうでしょう。重用なのは、その考え方です。大きな事故の裏には、何度も小さなミスや事故が隠れているという事です。

普段の業務でもこのままだと、ミスにつながるなぁと思う事があるでしょう。または、表沙汰になったら大変なことなのに、隠しているなと思う事があるかもしれません。こういったものの積み重ねがいつかは大きな問題につながるという事です。その状態を説明するうえで、「ハインリッヒの法則を意識して、プロセス改善につなげる」などという言葉で説明するときに使えるでしょう。

300の異常については、ヒヤリ・ハットという言葉で表現されることもあります。重大な事故には至らないものの、一歩手前の事例の事をヒヤリ・ハットといい、「ヒヤリと感じること」や「ハット感じる出来事」を説明するときに使う。こういったヒヤリ・ハットをいかに分析し、予防するかが重要である。

【ハインリッヒの法則】不正取引に見るこの法則の重要性

Business Journalの記事で、「ネットワン、4度目の「循環取引」発覚か…IT業界に蔓延る悪しき習慣、架空の利益計上」という記事があります。

この問題はIT企業にいたからこそ分かるのが、原価の付け替えは非常に簡単に行える業界である。過去には、東芝ITサービス、日鉄ソリューションズ、ダイワボウ情報システムなどが、ネットワンの架空循環取引にかかわっていたという話もあり、非常に大きな額の架空循環取引を計上していました。

この事故は1つの重大事故としてみなされていますが、IT業界に入る人であれば、こういった取引を非常に取りやすい業態であることは知っている方も多いでしょう。プログラムなどのサービスを販売する場合、成果物が部品や完成品といっても目に見えるものではないので、原価も見えにくいため、どこで循環していても、ある程度言い訳できてしまいますし、さらに、良い業者だと言い張れば、使うベンダーなども営業などが決めることができることも多い業界です。裏でどうつながっていても、調べるのも難しいでしょう。

この不正取引ですが、監視の目があれば、より小さな不正の可能性に気づけたかもしれません。こういった犯行は、組織として、怪しいと思った人が周りにいないという事は考えにくいです。おそらく、直接気づいていたけど、言えなかった人もいたでしょう。また、軽微な事故程度ではありませんが、何か変だなと違和感を感じていた人もいたでしょう。こういった事故は、怪しいと気づいている人が居るとおもいますので、ヒヤリ・ハットの考え方からすると、気づいたタイミングでそれが言えない状況があったのでしょう。

IT業界の多くがそういう事をしているわけではもちろんないと思居ますが、こういった不正を行いやすい業界なのは間違いないでしょう。そのため、大きな企業であればあるほど、不正を監視する仕組みづくりは非常に重要です。

【ハインリッヒの法則】自分のマネージメントでも活かせる考え方

普段のマネージメントでも、ハインリッヒの法則は使えます。例えば、普段でミスが多い部下がいるとします。その部下のミスをしばらく他の人がカバーしていたとしても、放置はできません。もしかしたら、大きなミスに結果的につながるかもしれません。
IT業界であれば、お客様に納品するソフトウェアで、バグだしが終わってない状態で納品することもあります。顧客との合意が取れたうえで進めばよいのですが、そうでない場合、後で大きなトラブルになるでしょう。

営業であれば、顧客とのアポを間違えたり、見積書のミスなどがあった場合、異常に気付くようにしなければ、見積もりの桁違いなどで大変な事故になるかもしれません。1件の重大なミスの裏には、多くの小さな異常に気が付く瞬間があるはずだと考え、常に、そういった異常を仕組みで防ぐ工夫をするのが良いでしょう。

【ハインリッヒの法則】まとめ

今回は、ハインリッヒの法則について書きました。問題が起こる場面は、様々なのですが、ミスの多い企業は、大きな失敗をする可能性が上がると考えて仕事に向き合うのが良いでしょう。これからも、仕事に役に立つ情報などについて書いていきたいと思います。

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