【通信回線契約時の注意】東南アジアで工場の通信がつながらなくてヤバかった話

知っておくべきIT情報

ITに関する情報をなぜこのブログで発信するのか。

このブログは財務分析や会計に関する情報を発信するために、立ち上げているサイトです。一方で、企業活動をする上でITという視点を抜きにすることはできません。そこで、ITに関する情報を発信させていただきたいと思います。私自身、IT業界に15年以上おり、国内外含め、ITインフラからアプリケーションまで関わってきた経験があるため、その時の経験も踏まえて情報発信させていただけたら、役に立つ方もいるのではないかと思って発信させていただいています。

【通信回線契約時の注意】通信回線は非常に重要

日系企業の多くがインターネット専用線やIP-VPNという企業向けの高品質回線を使っています。特に、製造業や物流の方達、日本に基幹システムがありアクセスするような方たちは、回線が非常に重要です。

そんな通信回線ですが、高いお金を払っているのに1週間止まるなんて事想像したことありますか?

「うちは日系の大手通信キャリアを利用しているから大丈夫。」なんていうのは通用しません。通信が止まる日は突然やってきて、日々の業務を完全に止めてしまいます。5年つながってたから大丈夫なんて言う経験論ではいけません。

ドイツの初代宰相のビスマルクの言葉に、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉がありますが、数百社という企業の通信環境を整えてきたからこそ、知っている現実(歴史)を共有したいと思います。

そんな現場の現実を書きたいと思いますので、シンガポール、マレーシア、タイやベトナムといった東南アジア、海外に進出を考えている企業のIT担当者さんも含めて参考にしていただけたらと思います。

【通信回線契約時の注意】品質保証、SLAとは

品質保証は字面の通りですが、SLAとはService Level Agreement(サービス品質合意というんでしょうか)の略です。他の企業ではSLGといい、Service Level Guarantee(サービス品質保証)という言い方をします。

ここからはSLAとSLGの使い方が通信キャリアによって、少し言葉遊びみたいになってるところもあるので、細かい契約内容については触れませんが、例えば、「お客様の通信を99.8%保証します。」みたいな内容に契約して、高いお金を払うわけです。

すごい高い数字に見えるかもしれませんが、1か月を30日とすると、720時間です。そこに、0.2%を掛け算すると、1.44時間です。実に1時間ちょっと切れる可能性あるんですね。もちろん、通常の運用時はこんなに切れないと思います。

金額によっては、99.5%といった契約になる事もあります。そうなると、3.6時間です。朝から通信断してるの気が付いてから4時間近く落ちてますね。。。これが機器障害なら、1日もすれば普及するでしょうが、物理的な配線の問題だったらSLAなんて関係ありません。。。

さらに、構内配線がネズミにかまれて切れた。なんてことになったら、通信キャリアからしたら、「それはお客様の問題です。」の一言で終わりです。どんなに怒っても、通信キャリアが動くことはないのです。

【通信回線契約時の注意】通信がつながらなくてヤバかった話

SLAが全く意味をなさなかったせいで、戦々恐々とした事例をあげます。とある東南アジアの田舎にいる製造業のお客様がいました。このお客様はSLAが99%以上の品質の良いインターネット専用線を利用していたのですが、バックアップ回線を持っていませんでした。

ある日、このお客様から、通信ができないという通知が来ました。ここまでは東南アジアではよくある話なので、日常茶飯事として捉えていました。そこから長い日々の始まりになるとは思いもしませんでした。。。

現場に駆け付けたエンジニアによると、「機器障害ではない。」という話でした。

そうなると、キャリアに聞くしかないのですが、キャリア側ももう動いていて、原因究明中とのこと。高いお金を払っている専用線ですから、いつも通り復旧もすぐかなと思ってました。

半日くらいして分かったのは、近くで行った掘削工事で光ファイバーごと断線したとのこと。。。

「おいおい、そんなことあるのかよ」と思いながら、原因特定できたなら、1日か2日で治るのかと思いきや、全く治りません。

さすがに3日も全くインターネットが使えないなんて悪夢です。。。

泣きそうになりながら、インターネット専用線を卸している通信キャリアに直談判に行き、偉い人にも合わせてもらって、「どうにかしてくれよ!」と言ったのですが、もう作業員は送ってるから「No problem! On the way.」とのこと。

結局、この通信断は復旧までに1週間かかりました。もはや返金されるかどうかなんて意味がないですよね。業務に必要な通信が1週間もできないという状況で嫌な思いをした記憶があります。この日以来、私は、どういうリスクがあるのかを数字だけでなく、起こりうるリスクを理解してもらってから契約をすることにしました。

【通信回線契約時の注意】日本から現地法人の状況はわからない

実は、現場の温度感と日本の温度感がかなり異なることはよくあります。現地ではあまり大ごとではないが、日本では大炎上しているみたいな。なので、ITインフラエンジニアとしては、現地のお客様もさることながら、日本のITチームに説明する資料作成で毎日が終わるみたいな生活になりました。

どんなに説明しても、日本からは見えないから温度感も状況もうまく伝わらないという事はよくあります。

こんな事態にならないために、提案したい対処方法が3つあります。

・バックアップ回線を持つ
・無線を組み合わせる
・どの経路をたどっているかを調べる

それぞれについて、解説していきます。

バックアップ回線を持つ

どこの国でも、一般的ですので、開設するまでも無いでしょうが、機器が壊れて通信障害が起きる場合、キャリア側では交換までに半日かかったりします。それが基本的に認められない企業は、バックアップ回線を持つのが普通です。

その中で、「別キャリアを使う」、「サービス品種を変える」などして、安全性を高めることをします。少しだけ専門的な話ですが、私の場合、キャリアに対して、どこで網がつながっているかまでディープに聞いてました。

無線を組み合わせる

先ほど具体例で説明した通り、物理線は切れる時、バックアップ回線も切られてしまう可能性があります。これは非常に怖い話で、バックアップの価値がかなり低くなってしまいます。

そこで、最近、増えてきてるのが、「3/4G回線を用いたバックアップ」、「マイクロウェーブ回線によるバックアップ」です。日本では当たり前かもしれませんが、当然、日本ほどのサービスはまだ充実していない国もあります。

シンガポール以外の国では、まだ地域によってインターネット回線の品質が良くないエリアもあります。第二先進国であろうマレーシアですら、クアラルンプールの全ての設備が整備されているわけではありません。

4Gなんかはキャリアと相談して、無制限か従量課金で制限(Quota)の無いサービスを契約することで、安心してバックアップとして使うことが出来ます。

どの経路をたどっているか調べる

無線だろうが、物理回線だろうが、どこに局舎があって、どこに光ファイバーが敷設されるのかは非常に重要です。例えば、無線にして、物理回線も併用して使ったとしても、繋がっている局舎が同じで、そこから先は全て同じ設備なんてこともよくあります。

もはやどんなにバックアップを取っても、限界があるので、リスクを理解して、インフラを構築するというのも手段となります。リスクが分かれば、それが起きた時の対処も考えられるわけです。怖いのは、突然の1週間の通信断です。

通信経路はキャリアは開示したがらないのですが、聞けるのであれば聞いてみましょう。私は現場で通信回線が本当に言った通りの経路で引かれていたのかも目視で確認していました。そのくらいのこだわりが無いと通信インフラは怖くて再販できません。

ただ、ここまでのこだわりを持って仕事をしている日系の通信キャリアなんていないかもしれませんね。

【通信回線契約時の注意】まとめ

通信キャリアの中でも、SLAについてと、現実に起こりうる問題、その対処方法について書きました。ほかにも東南アジアで色々経験できたので、頑張って書いていきたいと思います。品質保証だけではなく、実稼働時間という意味での品質を向上できることを願っています。

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