【フィルターバブル】上司から部下に対する思い込みが起こる理由

マネージメント

【フィルターバブル】はじめに

今回、フィルターバブル(Filter Bubble)という言葉について解説したいと思います。この用語については、インターネットの検索に関係する用語ですが、実は、マネージメントの用語としても、外資系企業で使われています。

そのため、この単語自体を知ることが重要であるとともに、この用語を意識することで、部下との接し方が変わることがありますので、マネージメントで活かす方法も含めて解説したいと思います。

【フィルターバブル】とは何か

まずフィルターバブル(Filter Bubble)とは何かについて簡単に解説します。

フィルターバブルとは、イーライ・バリサーという方が、「フィルターバブル──インターネットが隠していること」という著書で、インターネットで検索をする際には、場所やクリック履歴、検索経験などに応じて、検索結果が表示されたり、企業のレコメンド(推薦)情報を提示される影響で、結果的に好ましい情報のみ取得してしまうという状態(バブル)に陥るといっています。

これにより、欲しい情報をより取得しやすくなるものの、あまり目にしたくない自分と反対の意見のものなどが表示されにくくなるというのもです。

これは現在では、AmazonやNetflix、YouTubeなどの動画配信サイトのおすすめ動画が多くみられている状況がネットでよくニュースになっていますが、このフィルターバブルの1つの良い例でしょう。

このフィルターバブルですが、少し考え方を変えると、人は欲しい情報を無意識に選択してしまうというバイアスを持っていますが、大きくかかわっており、目に見える情報や環境要因から推測される情報だけで相手の事を推測してしまう事をフィルターバブルといいます。

【フィルターバブル】上司が持つ部下への思い込み

突然ですが、こういった経験は無いでしょうか?「上司は自分の事を理解していない」、「上司は自分が昇進欲が強いと勘違いしている」などです。

これは、部下を持つ方が多く陥るミスです。例えば、部下が「昇進したい」と言えば、単純にそのままで受け取る方がいます。でも、その「昇進したい」という言葉の裏には、「給与を上げたい」、「もっと難しい仕事をしたい」、「もっと評価されたい」などの様々な要因があり、これを理解すると、「昇進したい」という言葉が、もっと具体的な「価値観」を理解したマネージメントになります。

外資系企業でのトレーニングで用いられる言葉としては、この「部下や相手の価値観を理解できていない状態」の事をフィルターバブルと呼んでいます。

以前、「【MBA必読書】FIND YOUR WHY 最強の他者啓発本」でも書きましたが、部下の価値観を理解するという事が非常に重要です。

【フィルターバブル】マネージメントに活かすには

そこで、フィルターバブルという言葉を理解したうえで、部下に対するフィルターバブルを取り払う2つのステップを紹介したいと思います。

1つ目は、「部下の将来のキャリアパスについて話す」という事です。2つ目は、「上司の価値観を伝える」という事です。

まず初めに、部下のキャリアパスについてですが、部下の中でも、将来のキャリアパスについて、どういうポジションにつくという所や、どういう経験をしたいという所を意識しがちな方がいます。話していても「エンジニアチームに行きたい」、「企画部門に行きたい」などの話をすることがあります。

そのまま上司が受け止めて、応援する前に、一歩引いて、「なぜそのキャリアパスを歩みたいのか」をじっくり聞いてみましょう。その人は、「手に職をつけて安心感を得たい」のかもしれませんし、「企画の花形に行って、もっと評価されたい」のかもしれません。そこまで最低限理解していると、その部下の価値観がより理解できます。そうすると、今の仕事でもできることが出てきて、ただ異動したいという気持ちを少しは抑えることもできるかもしれません。

次に、2つ目が「上司の価値観を伝える」という事です。上司は、部下の事を理解しようとしていますが、上司にすべてを話すほどの信頼関係を築けているでしょうか。そこで、自分のキャリアパスを話してみるのも良いでしょう。

部下によっては、キャリアパスを話すときにどこまでの価値観を伝えながら話すのかを考えたこともない方がいます。そこで、部下に自らのキャリアパスや価値観を話すことで、どんなことを聞きたいのか、考えてほしいのかを理解してもらう良い機会にすることができます。

この上記の方法は順番が逆でも構いません。仕事は「なぜ?」から始めると、仕事に対する向き合い方が歴然と変わることがあります。私は、そのような部下を多く見てきました。すでにサンプル数として、少なくは無いレベルで劇的に変わる部下を見て感じたのは、上司が部下の価値観を理解してコミュニケーションをとることが非常に良い方向に向くという事です。この会話はすべて、部下との信頼関係がなければ成り立ちません。

そのため、もしマネージメントについて悩むことがあれば、次のような記事も書いてますので、参考にしてください。

 【リーダーとは】マネージャーとリーダーの違いについて解説

【フィルターバブル】まとめ

今回は、フィルターバブルについて、解説しました。フィルターバブルを理解し、相手の価値観を大切にする行動を取り始めると、部下も自分の価値観を尊重してくれるようになります。お互いの理解が良い関係を作りますので、是非、これを機会に、部下とのコミュニケーションに取り入れてみていただけると幸いです。

もし誰かに説明したいという方がいたら、以下の本を読んでみるのが良いと思います。

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