【PPM分析】を解説 企業内のお金の流れが需要 テンプレート付き

マーケティング

【PPM分析】この記事を読んでいただいたらわかること

今回は、企業の事業を分解し、企業が、どの事業で利益を得て、どの事業を育てようとしているのかについてを分析するツールであるPPM分析を解説したいと思います。

このツールが使えると、自社の提案を行う際に、どのサービスでお金を生み出し、自社のサービスのどこにお金を投資して、次の利益の柱を育てていくかをフレームワークとして提案しやすくなります。また、他にも、MBAを取るうえでは、ケース分析といって、企業を分析する機会がありますが、その中でも、より具体的な説得力のある説明がしやすくなりますので、ぜひ、これを機会に覚えてください。

【PPM分析】について

PPM分析とは、プロダクトポートフォリオ分析(Product Portfolio Management)といい、市場の中での優位性、事業の成長率を軸にとり、企業がどの分野で成長していて、どの分野で市場優位を持っているのかというのを軸にしています。

この分析により、「どこで儲けて、どこに投資するのか」を分析し、次の投資戦略に活かしていくことに活かします。例えば、下のように書きます。丸の大きさは売り上げを表します。

今回は、下のようにアマゾンを例にあげました。アマゾンはもはや非常に様々なサービスを立ち上げてますので、少し抜粋した形で書きました。また、国ごとにマーケットシェアなども異なるので、そこも、具体的な数字ではなくイメージで書いております。

PPM分析の例

上記で書かれている通り、まず、2軸で売上成長率とマーケットシェアを作ります。そして、売上成長率を10%や業態などに応じて数字を決定します。また、マーケットシェアも、50%を中心とすることもありますが、平均的な複数企業の平均に対して優位化を書くこともあります。

また、それぞれのカテゴリで、名前がついており、それぞれ「花形」、「金の生る木」、「問題児」「負け犬」という4つに分類します。それぞれについて、まず解説します。

花形

まずは、花形です。これは、市場の成長率が高く、さらにマーケットシェアも取っているカテゴリです。一方で、成長率が高いため、成長を加速させるために、一般的には投資が多く利益もその分減ってしまいます。花形は、事業で得た収益をその事業にそのまま投資することが多いです。

金の生る木

次に、金の生る木です。ここは、企業にとっては、市場成長性が低いものの、シェアが比較的高いため、利益の源泉になります。その利益を、これから説明する問題児や負け犬などに投資することが一般的です。市場成長率が低いため、金の生る木にある事業に積極的な投資は状況にもよりますが、少し少なくなる傾向にあります。

問題児

企業にとって問題児は非常に重要です。ここは市場成長率は高いがマーケットシェアは低く、積極的投資をすることで育てていける可能性の高い事業となります。そのため、金の生る木から問題児に対して利益を投下して、成長させるというのがセオリーです。

負け犬

最後に負け犬ですが、ここは市場成長率が低く、シェアも少ないため、通常はあまり利益の出ないエリアです。残念ながら、負け犬のエリアで取れる戦略は、撤退か、金の生る木を目指し、成長させるか、細々と事業をつぶさない程度に維持するような戦略になります。負け犬を極力作らないというのが重要でしょう。

アマゾンを例にとると

上記から、PPM分析をアマゾンで考えると、AWSは成長率も高く、マーケットシェアも大きいため、花形と言えます。これからも、どんどんAWSの利益をAWSにどんどん投資して、大きくしていくでしょう。次に、アマゾンのマーケットプレイスは金の生る木です。多くの国でマーケットシェアを大きくとっておりますが、このマーケットプレイスの商品販売という点で大きな成長は難しくなってきているでしょう。そこで重要なのが問題児です。アマゾンはAmazon GoやAlexaなど、これから成長していく事業に大きな投資をしているでしょう。これは、他の事業で出ている利益を大きく他の事業に振り分けているからです。

いつまでも花形や金の生る木があるわけではありません。そのため、問題児を上手に持っている企業が投資対象としても魅力的です。永続的にビジネスを続けていくには、「金の生る木を作る」⇒「問題児を作り、投資をして育て、花形にする」⇒「花形が事業成長率を失い、金の生る木になっていく」という形で、このサイクルを延々に回し続けることが重要です。

【PPM分析】を具体例を用いて解説

Amazonを例に挙げましたが、Amazonは非常に上手く花形、金の生る木、問題児を作っている素晴らしい例です。負け犬もあるでしょうが、すぐに撤退する判断もすごいです。一方で、日本の通信事業についても見てみましょう。もちろん、イメージなので、少し実態と異なる部分は、ご了承下さい。

例えば、ソフトバンク、NTT、KDDIなどを考えると、モバイル事業、固定回線事業は金の生る木でしょう。成長しているところで行くと、ソフトバンクは投資会社でもあるので、花形に当たる部分はあるかもしれませんが、あまり花形と言える状況の事業は持っていません。一方で、金の生る木は、日本の中でも圧倒的なため、ベンチャー投資や新規事業をどんどん加速しています。

そして、彼らはB2Bのビジネスとして、企業向けにソリューションを提供していますが、ここは凄く儲かるというわけではありません。そうなると、B2B事業は、大きく飛びぬけた成功も難しいが辞めることも難しいビジネスのため、利益を自分に投資して、延命しつつ、金の生る木になる可能性を探るという事が戦略になります。また、マーケットシェアという意味では、今回は、企業数がある程度固定のため、利益が出やすいかどうかで、分類しています。

このように、大手通信事業社は問題児をどうやって育てるかが重要です。ここでの課題は、1兆円規模の花形を作れるかという課題です。NTTがベンチャー投資で、1億円を投資して、10億円程度のビジネスを作って花形に入ってきても、企業に対しての影響は無いに等しいでしょう。そのため、大きい企業だからこそ、PPMを上手く作っていくのが非常に難しいという事が分かると思います。

【PPM分析】まとめ

今回は、PPM分析について解説しました。アマゾンや通信事業者は大きな売上を持っているため、問題児を作るうえでも、今の事業をさらに押し上げるような売り上げを出せる事業が必要ですが、他の企業ではもう少し小さな規模の投資でも良くなるでしょう。事業態に応じて変わるPPM分析を良ければ、使ってみてください。テンプレートも下につけさせていただきます。

さらに学びたい方は、ビジネスフレームワークの本も初心者向けとしてお勧めです。

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