【マクレガーのXY理論】5段階欲求理論と同じくらい重要な理論

組織

【マクレガーのXY理論】とは

「マクレガーのXY理論」とは、ダグラス・マクレガーによって提唱された理論です。著者のダグラス・マクレガーは1906年にアメリカに生まれ、1935年にハーバード大学で心理学の博士号を得ています。

著書「企業の人間的側面」の中で、XY理論を提唱しており、その内容を簡単に説明すると、管理的な方針のX理論と個人の意思をより尊重したY理論を比較し、将来は、Y理論が経営方法として望ましくなるとしたものである。

この理論は、MBAの中でもよく説明されるものの、さらっと説明されてしまうため、【マズローの5段階欲求理論】との関連性をよく理解しないまま終わる方がいますので、その点について、説明したいと思います。

【マクレガーのXY理論】X理論、Y理論をそれぞれ説明

まず、X理論とY理論の立ち位置について、説明したいと思います。

理論という言い方をするので、それぞれに理論があると思うかもしれませんが、分かりにくい場合は、これから、「Xさん」、「Yさん」という表現をしますので、そういう人がいると想像してみてください。では、わかりやすくするために、ちょっと極端な例で説明します。

X理論の考え方とマネージメント

X理論の考え方として、「人は基本的に仕事はしないし、責任を逃れたい存在である。」という考え方をしています。少し、「Xさん」という人を想像して、次の文章を読んでみてください。

Xさんは、ある会社の管理職です。部下は30人いて、みんな同じ商品を販売をする営業です。Xさんは、「部下はサボるはずだ、部下は言い訳ばかりしている、だからこそしっかりと管理しなければならない」といいます。そんな部下に対して、Xさんが取り入れたのは、部署の数字をしっかりと1人1人に割り振り、日々の日報を書かせ、達成できない場合、その日のうちに呼びつけ、次の日から何をするのか皆の前で詰めます。

Y理論の考え方とマネージメント

Y理論の考え方として、「人は生まれつき真面目で、言わなくても仕事を行うものだ」という考え方をしています。では、Xさんと対照的な「Yさん」のことを想像してみましょう。

Yさんは、ある会社の管理職です。部下は30人いて、みんな同じ商品を販売をする営業です。Yさんは、「部下は本当によくやってくれている。部署の数字を達成するために、どうするべきかまずは意見を聞こう。」といいます。そんな部下に対して、Yさんは、部署の目標を共有し、どうやって達成していくのか、全員に意見を募りました。そして、個人の数字や部署の数字が達成出来たら、パフォーマンスが良かった人やグループを表彰し、褒めたたえました。

XさんとYさんの違い

X理論とY理論はこれだけです。単純に日本で言うと、パワハラ上司と、優秀な上司の対比みたいに見えるかもしれませんが、昔はX理論でのマネージメントは一般的な方法として利用されていたでしょう。

多くの方が、部下としてついていく上司を考えた場合、Yさんについていきたいと思うのではないでしょうか。これは、どちらが正しいという事をはっきりといっているわけではなく、特定の条件下においては、Y理論の方が望ましいと言っています。そこで登場するのがマズローの5段階欲求理論です。

マズローの5段階欲求理論との関連

以前、【マズローの5段階欲求理論】わかりやすく解説で書きましたが、人間の欲求は以下の5段階であることは説明しましたが、以下の図の中に、高次の欲求と低次の欲求に分けましたが、低次の欲求がある程度満たされている状況下においては、Y理論を適応するのが良いという事を、マクレガーは提唱しています。この図がわかれば、もうマズローの5段階欲求理論と、マクレガーのXY理論は卒業です。

【マクレガーのXY理論】マネージメントで使えるのか

このマクレガーのXY理論を見ていると、組織が成熟してきて、誰しもが承認欲求や成長したいという自己実現欲求がより強くなる組織においては、強い管理よりも、自主性を育てるようなマネージメントを行うのが上手くはまるでしょう。

一方で、低次欲求が満たされていないところでは、もしかしたら、X理論がはまりやすいかもしれません。私は東南アジアで仕事していたので、日々生きていくために仕事をしている人に自己実現欲求が強い人が多いとは言えませんでした。そんな中では、しっかり管理して仕事をしてもらう方が上手くいくこともあります。そして、徐々にY理論に近づけていくこともありました。

【マクレガーのXY理論】二元論で考えるのはやめよう

マクレガーのXY理論は高次欲求と低次欲求というある程度、連続性のあるスペクトラムの中での話で語られます。そのため、X理論というのが強く決まっていて、そういう人が悪いと批判しているわけではありません。誰しもがX理論がはまる部分もあり、Y理論がはまる部分も持ち合わせています。

そのため、どちらかに当てはめるという二元論で考えるのではなく、X理論とY理論の間には連続性があると考えることが重要です。

あなたの上司はXY理論のどちらよりですか?

あなたの上司は、XY理論のどちらに寄っていと感じますか?もしパワハラ上司だと感じている場合、X理論に分類される行動が多いでしょう。ストレスを感じるときは、客観的に遠くから事象を眺める自分がいると、ストレスを感じにくくなりますので、心の中で、今の行動はX理論だなとか分析してみるのは、良いかもしれません。

もし自分の上司が理想的であれば、どの部分が良いのかを棚卸する良い機会にしていただいたら良いと思います。

あなたのマネージメントはどちらに寄っていますか?

あなたは、このXY理論を聞いて、自分のマネージメントはどうあるべきだと考えましたか?どっちにしたから正しいという事はありません。例えば、X理論を徹底的に用いて、最高の数字を出すチームを作り、部下の年収を倍にできたら、そのマネージメントは悪かったとは言えないかもしれません。

この理論を知ることで、より自分のマネージメントがどういう状況か意識しやすくなります。また、人によって、マネージメントの方法を様々な方法で試すことも可能です。

X理論、Y理論は自分の対応を分析するのに、簡単にできる1つのツールです。

部下に何を求めますか?

部下がマネージメントのをする立場の方もいると思います。【マズローの5段階欲求理論】わかりやすく解説とこのマクレガーのXY理論は、社員のモチベーションを考えるための基本中の基本ですので、部下にも理解してもらい、組織作りに活かしていきましょう。

【マクレガーのXY理論】まとめ

マクレガーのXY理論について説明しました。管理派のXさん、自主性優先のYさんがどういう組織を作るかは書いていませんが、マズローの5段階欲求理論との関連性を理解してもらえれば、マクレガーのXY理論は完璧だと思いますので、まだしっくりこない方は、再度、別の記事も読んでみてください。これからも、マネージメントの言語化を進めていきたいと思います。

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