【目標設定はSMARTに】リモートワークのプロになるには目標が重要
コロナ渦で、リモートワークが普及し、働き方が大きく変化し、部下の管理も大きく方法の変化が求められるようになってきています。一方で、今まで、長く管理職をしてきた方がそんな簡単に管理手法を変えることはできません。そこで、リモートワークを5年以上続けている私が、部下の目標設定について、SMARTの手法を用いながら、コツについて書いていきたいと思います。
この記事を読む際に、1個だけ、確実に多くの方が思う疑問があります。
それは、「自分の仕事は数字で表現できないので、目標設定なんてできないのではないか」という疑問です。最初は、目標設定する際に、上手くいかないものを設定すると思います。2年くらいは、朝令暮改でも目標の設定方法を見直していかないと、その仕事にあった目標設定というのは見えてきません。
私もいまだに、部下の目標設定について、修正しながら良いものを探し続けています。一方で、目標設定を明確にすると、部下の仕事の方向性が明確になるので、失敗を恐れず、目標設定をしてみましょう。ここで、手を付けるか、手を付けずに、目標があいまいなままで仕事をするのかでは、大きくアウトプットが変わってくると思いますので、記事を読んでいただければと思います。
【目標設定はSMARTに】目標設定に困ったら、「SMART」を使おう
まず初めに、私は、基本に忠実に目標設定をしています。目標設定で気を付けているのは、ここで説明する「SMARTの手法」です。SMARTとは、目標設定の抜け漏れが無いようにする便利なツールですので、5つの要素を説明したいと思います。
◆要素1:Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表します。例えば、「現状の報告業務に使っている週15時間を2時間にする。」、「既存顧客の売上を○○の販売を増やし、月額で5%上げる。」などです。
◆要素2:Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表します。例えば、「時間」、「金額」、「数字で表せる顧客満足度」などは良い指標でしょう。
◆要素3:Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認します。例えば、「昨年の売上は毎月600万円だったが、年々成長しているため、今年は10%アップの毎月660万円を目指す。」などです。
◆要素4:Related(経営目標に関連した)
設定した目標が「職務内容や、本人のスキルに基づくものであるかどうか。」と同時に「自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容」になっているかどうかを確認します。例えば、「部署の売上目標が20%アップであり、一番伸びしろの大きいエリアを担当している○○さんは、40%アップを目指してもらう。」などです。
◆要素5:Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する。すべてのプロジェクトや仕事は有限な時間とリソースで仕事していますので、いつまでに、どのくらいの成長をしていくのか(途中過程の目標をRamp:ランプといいます。)を意識していきましょう。
【目標設定はSMARTに】目標設定はただのスタート
目標設定をしたら、力尽きる人がいます。目標設定は大切ですが、それは3か月先や年末までに数字を作るためです。
まず、年初に目標を必ず立てましょう。例えば、営業であれば年間の売上に対して、昨年対比10%アップや、市場の状況によっても変わります。オペレーションであれば、昨年対比10%増の作業量とかが分かりやすいでしょう。また、新しいプログラムのローンチや、従業員の満足度を数字として図っている場合は、それを指標としても良いでしょう。
次に、立てた目標に対しては、見直しが大切です。私は立てた目標を必ず毎月、すべての部下と見直しています。立てた目標にたいして、年間でどの程度アチーブで来ているかを測るには、毎月くらいのペースで目標に対してアプローチを考えなければなりません。早いうちに解決しなければ、下半期に入って絶対に不可能な目標だけが残る可能性もあります。そこで、毎月見直し、仮に年初の目標を下げることになったとしても、その人がモチベーション高く達成できるかギリギリの目標を常に掲げましょう。
リモートワークで失敗するのは、管理を細かくしすぎて、日報レベルで行う場合です。本人の裁量が無くなり、モチベーションを下げる人もいますので、パフォーマンスや本人の資質に応じて、頻度は変えることも試してみましょう。
【目標設定はSMARTに】リモートワークだから目標設定に注力
リモートワークをする場合、部下が何をしているのか見えないため、より上司の管理能力が問われます。重要なのは、「管理する」という意識ではなく、困っていることを「取り除く」という事に意識を向けていくことです。それは、リモートワークになると、日報を書いたりすることで管理工数を増やすと、全体のパフォーマンスが落ちるのですが、それは全体が時間で仕事しているからです。
時間ではなくパフォーマンスで仕事をするためには、目標を設定するのが重要です。そして、定期的に目標を確認し、部下が目標達成できていない場合は、叱責するのではなく、全力でブロッカーを取り除いてあげましょう。基本的に考えるべきでないのは、「サボっているから数字が出ない部下がいる」という先入観です。
この先入観は部下に伝わりますし、不信感と管理されるストレスは、部下のパフォーマンスを下げます。賢くより少ないストレスで仕事と向き合うには、目標をしっかり設定し、達成していないときにも、「上司は見方で、全力で問題解決を一緒にしてくれる人」という上司の姿を部下に見せましょう。
【目標設定はSMARTに】目標設定の例
最後に、目標設定があいまいな場合と、しっかり設定した場合の違いについてどのくらい差があるのか書いてみたいと思います。今回は営業部を例に取りたいと思います。少し極端なので、多くの方が下の中間くらいに位置しているとは思いますが、分かりやすくするためなのでご了承ください。
あいまいな目標設定の例
2020年は、年間の会社の売上が大きく伸び、営業部の貢献は大きかったと思われる。2021年は、商材として、在宅勤務のソリューション拡販がさらに期待できるため、営業部としてさらなる売り上げ増加を目指していきたい。個人の成績は、各自20%アップを目指していきたいと思う。
しっかりした目標設定の例
2020年は、本営業部での売上が年間で10億円に達した。そのため、個人の売上高が平均で年間5千万円になった。2020年は在宅勤務に関わるソリューションで、20%の売上が上がったため、2021年は在宅勤務において、業務管理のソリューション拡販がさらに期待できる。そのため、2021年の目標は、部門でさらに20%アップを目指し、個人の成績については、担当営業エリアの中で、すでに在宅勤務ソリューションを入れた大手営業の目標は10%アップとし、その他の中小企業向けのソリューション部門は、伸びしろが大きいため、40%アップを目指す。第二四半期までに、年間目標の45%を達成を目指し、年度末までに、残りの55%を達成目指す。
2つの例を比較して
非常に極端な例について書きましたが、あいまいな目標設定をした場合、SMARTのなかで、MeasurableとAchievableとRelatedは含まれているように見えますが、具体性と、いつまでにどのくらい達成するのかが見えてきません。このように、細かく書くことで、1年間どうアプローチかけていくかがより見えるようになります。面倒だと感じるかもしれませんが、部下は、この目標設定を見ながら自分の目標が決まるため、おおもとの目標がしっかり設定できるようにして、個人の成績もSMARTに設定しましょう。
【目標設定はSMARTに】まとめ
今回は、年度の変わり目という事もあり、SMARTという考え方について書きました。部下を持つ方だけでなく、組織の年間の目標や個人の年間目標を立てる場合に役に立ちますので、頑張って絞り出してみてください。
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