【補足編】訓告や懲戒とは違う、退職の勧告
この記事は、【保存版】外資系で退職勧告受けたら読んでほしいブログを書いた後で、多くの方に読んでいただくことができ、もう少し具体的な内容を入れてもいいかなと思い書きました。
私が実際に周囲の人で、退職勧告(退職推奨)を切り抜けた方法を聞いていたので、その中でも特に印象に残ったものを3つ書きます。私は運が良く、直接、退職勧告を受けたことがありませんので、紹介する話は全て同僚や他の企業の友人の話を聞いたものです。
そして、仕事において、著しく問題がある場合、訓告処分や懲戒処分というものがありますが、業務上、大きな問題ではないが、ちょっと使いにくいなとか、ちょっと成績が悪いという方において、退職を勧められることがあります。そんな方についての具体的な回避方法について書くことで、様々な方法があることを知ってほしいなと思っています。
ちなみに、この3つについては、法的に違法かという点や企業によって必ず同じ結果になるものを保証するものではない点のみご了承下さい。マイクロソフト、マッキンゼー、デロイト、ディズニーといった企業名が「退職勧告」とセットで検索ではよく引っ掛かりますが、私が顔出しも名前出しもしないのはこのような情報を発信しやすくし、皆さんに有益な情報となるように考えているからです。
そのため、今回の紹介は、企業名等については、伏せさせていただきます。
【補足編】紹介するケース3つ
退職を勧められるというのは、人生の経験の中で、あまり経験しない方もいるかもしれませんが、いざ突然言われると、パニックに陥ったりするものです。そこで、具体的にどんなパターンがあるのか、私の周囲の実体験をもとに、紹介をしていきます。紹介するのは次の3つです。
- 数字になりにくい業務で、上司に嫌われて、一方的に無理なことを言われ、退職勧告
- パワハラによりパフォーマンスが悪くなり、退職勧告
- 能力は足りていなかったが、期待値が分からないせいで退職勧告
この紹介するケースが皆さんの状況に当てはまって、上手く状況を切り抜けるヒントになれば幸いです。
【補足編】①数字になりにくい業務で、上司に嫌われて、一方的に無理なことを言われ、退職勧告
Aさんは、とある外資系企業のプロジェクトマネージャーでした。プロジェクトの成功が仕事ですが、「プロジェクトの成功」というのは白黒つくものではなく、Aさんはその時、様々な自分でコントロールできない事情がありました。
プロジェクトの遅延について上司に相談しているうちに、上司から「あなたはプロジェクトを遂行する力がないから、このままではダメだ」という話をされ始め、本音でボトルネックになっている他部署の相談をしたところ、「それを何とかするのがあなたの仕事だ」と言われてしまいました。
そんな状況なので、改善が難しく、1か月後くらいに、やんわりと「あなたはこの会社にふさわしくないかもしれないから、次も考えて欲しい」と言われてしまいました。「もし今の状況を改善できるならそのままでも構わない」と言われ、状況を改善するPIP(パフォーマンスインプルーブメントプラン)という成績改善プログラムに入れられる話になりました。
その時に、上司から同意書を渡され、サインを求められました。その場でサインするまでは帰さないという感じになったようです。ただ、このAさんは賢明で、すぐには決められないと1時間以上反論し、私に相談をしてきました。私からは「まず上司の支援が得られていないことを文章にして人事と話したらよい。」というアドバイスをし、明確な支援が得られることと期待値が設定されるまではサインしないことにしました。
そしたら、このPIPは先に進まず終わってしまったのです。。。Aさんはこの時間で非常につらい気持ちになり、どうしたらよいのか悩んだでしょうが、あっけない終わりを迎えます。
【補足編】②パワハラによりパフォーマンスが悪くなり、退職勧告
次は退職勧告の同意書にサインをしてしまったBさんの話です。Bさんは、上司や周りの方の言葉が強く、パワハラと思えるような言動を受けすぎたせいで、うつ病に近い症状が出ているような状況でした。
パワハラ行為自体が違法なものだったのですが、Bさんは責任感の強さから、自らを攻め、上司からPIPをうけたにも関わらず、退職勧告の同意書にサインをしてしまいました。Bさんが困っているときに、たまたま私が話しかけ、「これは、不当なPIPの進め方なので、病院で診察を受け、まずは鬱なのかはっきりしてもらいなさい。」と伝えました。
Bさんは、病院でうつ病であるとの診断を受け、「会社に上司のパワハラにより、うつ病になったことでパフォーマンスが下がった」というメールを人事に送ることにしました。
その後、すぐにBさんは、PIPを解除されました。もし私に相談していなければ、賃金の割増給与をもらって自主退職という形で外に出ていたでしょう。うつ病の社員を出してしまう組織も問題ありますが、それを切り捨てることも防いだケースです。
【補足編】③能力は足りていなかったが、期待値が分からないせいで退職勧告
優秀な人が集まる部署にいると、自分はできない人間だと思う事や、実際に能力が足りていないことがあります。これはCさんという、平均に比べると業務遂行のための能力が足りていない状況に陥った方のケースです。
Cさんは、パフォーマンスが悪いという事で、PIPを求められました。Aさん、Bさんと同様、Cさんも、退職の同意書にサインを求められましたが、彼女は「期待値が不明確でないのでサインしません」と言いました。
Cさんは、当時、妊娠中でした。本件と少しずれる部分もありますが、ADHDも少し持っている方で、はっきりわかりやすく言葉で伝えてあげる必要性のあるかたでした。妊婦である時点で、PIPに入れるのはリスクがあると思いますが、この企業はCさんをPIPに入れる準備を進めていました。本人には遠回しに「あなたは、この仕事に必要なスキルを持っていない」と言っていたようです。
何か月前からPIPに入るのかという話がありますが、一般的なのは1か月前とかでしょう。Cさんの場合、私に相談が入り、私から「Cさんは、コミュニケーションで、意思疎通でずれが生じることが多いから、期待値を明確に、文章で指示してもらうようにしなさい」と伝えました。
このPIPに入るタイミングから私の指示通り、上司に明確な期待値を求め続け、その後、3か月くらいサインを拒み続け、結果的にPIPに入ったのかうやむやになり、PIPが終了できました。
【補足編】退職勧告を乗り切った後のお勧めの選択肢
今まで紹介したように、退職勧告を乗り切った方は非常に多くいます。私の周りで、すぐにサインして上手くいった方はあまりいません。むしろ、サインを拒み、残った人の方が次につながっている人もいるくらいです。企業に寄りますが、必ずしも、言われるがままに退職するのが正しい選択肢だと思わないことも重要かもしれません。
一方で、退職勧告を受けるようなチームにいても得なことはあまりありません。そこで、私は次の3つを推奨します。
①部署異動
PIPに入れる上司と仕事をしていても、プラスになることはないかもしれません。昇進ももう見込めないでしょうから、よっぽどスキルアップできるたり、労働環境が良いという事でなければ、環境を変えることをお勧めします。
②転職活動
退職勧告を受けたあと、その会社で明るい将来は描けないかもしれません。もしそうなら、ゆっくり転職活動して、今よりも良い条件が出て来たら退職するのが良いでしょう。退職勧告の時に退職すると、条件が選べないのですが、乗り切った後であれば時間を使って活動ができます。
③嫌がらせのように残って、残りの時間でスキルのつく学習
退職勧告に失敗した上司というのは、ある意味、その上司としての資質を問われる企業もあります。そんな時は残って嫌がらせのように存在感を放つのも一つかもしれません。退職勧告をもらって、そんなにあくせく働かなくてもいいやっていうマインドになれたら、スキルのつく学習により時間を割き、次につながることをするのが良いでしょう。決して、自分の能力のせいでPIPに入ったと思わないことです。
【補足編】まとめ
今回は、前回の退職勧告に関する記事から、さらに補足の情報をまとめました。
最終的にどのような行動をとるかは自己責任ですが、日本において、PIPに入ってすぐに転職を決めるよりも、少し粘って時間をかけて次が決まってから辞めた方が良い就職活動が出来ます。また外資系企業では、日本よりも解雇があるとすると、前職で解雇されていたからと言って単純に仕事が見つからないという状況にはならないでしょう。
もちろん能力が足りていないので解雇されている場合は、能力にあった職場となると、年収が下がる可能性は十分にあり得ます。外資系企業は合理的なところも多く、上手くはまると、これほど快適な企業もありません。上手く、安心して働ける環境が築けると良いですね。
皆さんに役立つ学習、投資やビジネスに関する情報を発信できれば思いますので、以下のリンクもチェック、チャンネル登録、フォローしていただけると嬉しいです。
YouTube:動画で学べるビジネス商学チャンネル
Twitter:https://twitter.com/WXbrl