(第6回) 貸借対照表の資産の各科目

財務分析(全15回講座)

概要

 今回は、今までの概要からもう少し深堀りして、貸借対照表の資産にある各科目に解説します。

(第6回) 貸借対照表の資産の各科目

  それでは、はじめていきましょう。これまで、貸借対照表はこのように資産、負債、純資産に分かれていることを学びました。

 そして、資産は流動資産、固定資産、繰延資産とさらに分類できます。

 さっそく、流動資産にはどんな科目があるか見ていきましょう。流動資産は、主に当座資産と棚卸資産に分類されます。

 はじめに、当座資産から説明します。現金、貯金、受取手形や買掛金、有価証券などがあります。受取手形や買掛金とは、ざっくり言うと、後からもらう代金のことを指します。
 また、有価証券には株式、国債、社債などがあります。企業が保有する株式には、短期的に売買して儲けるための株式と、子会社を支配する目的などで保有する株式があります。流動資産に入る株式は、主に短期的に売買して儲けるための株式です。

 次に、棚卸資産です。棚卸資産は販売や製造のためのものです。商品や製品などがあります。商品と製品は似ていますが、商品は仕入れたものをそのまま売るもの、製品は原材料を買って来て、加工して作ったもののイメージです。なお、棚卸資産には製品の原材料、製造途中の製品を示す仕掛品などが含まれます。

 それでは次に、固定資産を見ていきます。固定資産は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産に分類されています。

 では、有形固定資産から見ていきましょう。有形固定資産とは、具体的な形のあるもののイメージで、建物、土地、機械や装置、自動車などの車両運搬具などがあります。
 ただし、気をつけていただきたいのは、土地ならば全て有形固定資産に入るかというと、そうではありません。例えば、不動産会社が売買のために持っている土地は、規模は違ってもスーパーで売っている商品と同じイメージで、流動資産に計上されます。

 次に、無形固定資産です。具体的な形のないもので、ソフトウェア、借地権、賃貸権、地上権など法律上の権利、のれんなどがあります。のれんとは、企業を買収した時に、買収額と買収先企業の帳簿上の価格の差を示しています。

 次に、投資その他の資産です。投資、他の企業の支配、継続的な取引関係を維持するために保有する資産です。関連会社の株式、出資金、差入保証金などがあります。差入保証金には、一定期間、店舗を借りるための敷金などがあります。

講義動画

 読んでもなかなか頭に入らない~という方のために、先述の講義を動画にしています(カンザイ先生作成)。ぜひご覧ください。

まとめ

 今回は、貸借対照表の資産にはどんな科目があるのか説明しました。流動資産、固定資産にはどんな科目があり、どのような狙いで分類されているのか、おおまかなイメージを掴んでいただけたでしょうか。
 次回は貸借対照表の流動負債や固定負債の各科目を説明します。

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