(第9回) 減価償却費

財務分析(全15回講座)

概要

 今回は減価償却費について説明します。初心者の方はつまづきやすいポイントかもしれませんので、しっかりと身に付けていきましょう。

減価償却費

 事例から考えていきます。例えば、A社は工場の製造設備として、300万円のロボットアームを現金で買ったとしましょう。

 すると、A社の社長は、今年、損益計算書に記載する利益は、300万円分下がるなぁと思ってしまうかもしれません。

 しかし、会計の世界では違う考え方をします。

 一般的には、工場の設備は、何年も使うことができます。そこで、長期的に用いる資産を、利用期間に渡って費用として配分します。

 このことを減価償却といいます。長期的に用いる資産の取得原価を、利用などによる価値の減少に応じて、利用期間に渡って費用として配分することです。
 もし、減価償却がなければ、長期に渡って設備を使っているのに、設備を買った年だけ沢山の費用を計上することになり、その年だけ製造原価が高く見えてしまいます。本当は同じ状況なのに、設備を買った年だけ製造原価が高く見えると、損益計算書を読むユーザーが誤った判断をしてしまうかもしれませんね。

 また、減価償却には毎年同じ額を計上する定額法、初めの年ほど多く、年とともに減少する定率法などがあります。ここでは、毎年同じ額を計上する定額法を説明します。

 購入した設備を6年間使用する場合、購入費用の300万円を6年間に渡って均等に配分します。つまり、300万円を6年で割ると、年間50万円になります。このように、買った年に300万円の費用を計上するのではなく、6年間に渡って毎年50万円を減価償却費として計上します。

 ここで、おやっ?と思った方もいるかもしれません。現金は1年目に払って、2年目以降は払っていないのに、費用として計上していますね。現金の動きと違いがでてきます。

 そうなんです。これが減価償却費なんです。長期的に用いる資産の取得原価を、利用期間に渡って費用として配分できた反面、現金の動きとは異なってしまうのです。一方、キャッシュフロー計算書では、現金の動きを示しますので、1年目だけ300万円を計上します。

 現金の動きと損益計算書上の利益は違いがあるということも、ぜひ知っておいてください。

 また、費用を何年間に渡って配分するかで、その年の利益も変わってきて、支払う税金も変わってきます。税金を計算するにあたって、何年間で配賦するか興味がある方は、「国税庁 耐用年数」という言葉で調べてみてください。

講義動画

 読んでもなかなか頭に入らない~という方のために、先述の講義を動画にしています(カンザイ先生作成)。ぜひご覧ください。

まとめ

 今回は、減価償却費について説明しました。どんなことを意図しているのか、また、減価償却費によって、現金の動きと費用に違いがでてくることがイメージできましたか?。
 次回は「キャッシュフロー計算書から会社の経営状況を推定しよう」です。

タイトルとURLをコピーしました